大判例

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東京地方裁判所 昭和53年(ワ)10641号・昭54年(ワ)1760号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

右認定の事実によれば、訴外丸山が本件連帯保証契約締結のための原告の使者であつたと認めることはできないが、原告は、訴外丸山に対し、訴外会社の工場移転に伴う土地の借入等私法上の行為を含む事務を行うのに必要な行為につき代理権を授与したものであり、右は表見代理の基本代理権とするに足るものというべきところ、訴外丸山は、右代理権の範囲を超え、原告の代理人として被告との間で本件連帯保証契約を締結し、かつ、本件公正証書作成の嘱託手続を訴外奥間正に委任した結果、執行認諾文言を含む本件公正証書が作成されたものであるが、被告の職員今井が本件連帯保証契約締結につき事前に原告の一応の了解を得ていたことを考慮すれば、今井が原告に再確認をしなかつたとしても、訴外丸山の持参した右契約締結に必要な書類の連帯保証人欄に原告の氏名の記載と実印の押捺があり、印鑑証明書も添付されていたことから、右今井において訴外丸山が原告を代理して本件連帯保証契約を締結するに必要な代理権を有すると思つたことは無理からぬところである。したがつて、本件連帯保証契約締結に関しては、被告において訴外丸山に原告の代理権があると信じ、そう信じたことにつき正当の事由があると認め得るから、表見代理が成立するというべきであるが、本件公正証書の作成に関しては、その執行認諾の意思表示について表見代理の法理の適用はないから、本件公正証書は原告の適法な作成嘱託を欠き、その部分につき無効のものであるというべく、その執行力の排除を求める原告の本訴請求は理由がある。

(久保田卓亜)

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